Jamscape Insectcage

photo: Koichiro Azuma

《Jamscape Insectcage》では、二週間かけて草木を刈ってできた山あいの空間に300個もの虫かごが散らばる風景をつくった。虫かごは楼閣のように積み上げられていたり、木の枝々にひっかけられている。虫かごは一ヶ月ほど置かれ、早朝には陽光が結露した虫かごに充満し発光した。風が強い日には虫かごの楼閣は次々と崩れていった。
「Jamscape」とは混ざりあった風景といった意味合いの作家の造語だ。そして、虫かごもまた、土や虫などの自然をそのなかに入れ、大人に子どもの頃の記憶を呼び起こす。その意味で、虫かごは様々なものを混ぜている。
東京藝術大学卒業制作展での展示では、額に取りつけたアクションカメラと、両耳に仕込んだ小型マイクとによって、この「Jamscape」の始終を記録し、その記録を素材に、ビジュアル・サウンドインスタレーションを構築した。その記録方法により、映像には私の視聴覚体験のそのままに近いものがうつっている。したがって、観る人の身体には映像内の私の身体と同化を求められるような感覚が生じる。また、サウンドデザインは音楽家・小野龍一が担当し、聴覚的空間がインスタレーションの空間全体に広がっている。

Dimensions variable
ヴィジュアル・サウンドインスタレーション(32m27sec)、虫かご

展示風景 photo/video: Yousuke Nakagawa