video: Parti Jam Jam Jam

個展
「Jamscape Insectcage 1st」2021
会場: Room_412(東京), 会期: 2021年7月3日―7月11日, 展示作品: Jamscape Insectcage/ 内臓相談非線形/ Jamming Object

「Jamscape Insectcage」。このなかの“Jam”は、広がりのある意味をもっています。それは、日本語で「詰まり」「もつれ」「混ざり」など、思考のときどきによって柔軟に変化するものです。そして、その思考は本展の作品のなかでも、さまざまなイメージとなって出現しています。
たとえば、400個ちかい虫かごがひとところに詰め込まれたり、線が予測不可能にもつれるように描かれていたり。また、あるいは昆虫や電子部品が混ざり合っていたりと。
作家は“Jam”することで、いままでその存在をとりこぼしていたという、昆虫や、子供だったときの記憶、作家自身の内臓、それらを作家自身の思索に招きいれ、「生」を多面的にとらえようとします。つまり、「見よ」と求められたものだけでなく、その外側のひろがりをよそ見すること。それが作家の「生の実感」に迫ろうとする態度でもあるのです。

本展は、自然・テクノロジー・昆虫・身体感覚などをテーマに、映像、サウンド、絵画、ガラス彫刻など多様な手法で制作された作品で構成されています。なかでも虫かごをモチーフに、最新の映像、音響技術を効果的に活用したヴィジュアル・サウンドインスタレーションは東京芸術大学卒業展で大学美術館買上賞を受賞した話題作でもあります。このインスタレーションのサウンドデザインは音楽家・小野龍一によって手掛けられました。アンビエントかつ気配の予感に満ちたサウンドは、体感する者の「いつか、どこかで」の記憶を刺激することでしょう。

本展の作品は視覚、聴覚、触覚といった感覚をベースに体感できるものです。それらが訪ねた者のなかで“Jam”されることで「生の実感」を呼び起こします。

photo: Asuna Ito

【協力】Parti Jam Jam Jam (PJJJ)
アーティスト/リサーチャー田中ジョン直人と、アートコーディネーター若山萌恵、そして美術家の荒川弘憲からなるアートプロジェクトです。